水中で万一エアが無くなったらこうしよう【ノリス動画】

今回の動画は【水中で万一エア切れになったときはこうしよう】です。
 
通常のダイビングをしていると起こりえない「エア切れ(シリンダー内の空気が無くなる事)」。
しかし、ダイビングではその「万が一」の状態になってしまった時をも想定して対処・対応する練習を行います。
 

 
開始圧・潜降後、以降定期的に残圧(シリンダー内の空気の残量)をチェックしていたら、いきなりエア切れになることはあり得ません。
更にブリーフィング時にガイドさんから「残圧が●●になったら教えてくださいね」と言われると思いますが、それをしっかり守っていれば問題はありません。
「空気の減りが早いのが恥ずかしくって・・・」「もうすこしくらいいいだろう」「虚偽の数値を伝える」という自己中心的な考えは捨ててください。
一緒に潜っているダイバーをも危険にさらす可能性があります。
まして、「残圧チェックをしない」のは、もってのほかです。
 
万が一に備えた状態で、ルールを守って安全に潜りましょう!
 
 
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もうすぐ長良川へ行ってきます!

今回はノリス大阪店で9月の第一週に行く、「長良川」でのダイビングについて紹介させていただきます。
 
長良川の写真や動画については、ノリスの公式Xにも掲載中。
Xで  from:@noris_diving 長良川 と検索ください(fromも入れて検索してください)  
 
長良川は岐阜県を流れる清流で、その美しい自然環境と豊かな生態系で知られています。
この長良川でのダイビングは、流れが速い所もある為、中級者以上向けとしています。
その分、海ではなく川という事、そして流れがあるという事で、普段のダイビングとは違ったアクティブな体験や非常に充実した体験ができます。
 
長良川の水の中はと言いますと、川底に広がる石や砂の地形が美しく、透明度も高い為、とても幻想的です。
そして何より、長良川のダイビングで特に注目すべきは、貴重な生物「オオサンショウウオ」の存在です。
 

 
オオサンショウウオは日本固有の生物で、古代から生き続けるこの生物は、その神秘的で壮大な姿で多くのダイバーや自然愛好者に感動を与えています。
この日本固有のオオサンショウウオを守るために2024年7月1日、「外来種」「交雑種」が「特定外来生物」として指定されました。
外来種のチュウゴクオオサンショウウオとその交雑種を日本の固有種と見分ける方法はいくつかあるそうですが、やはりその区別の難しさにより、過去、特定外来生物指定が見送られてきたそうです。
見分け方の1つに「頭部のイボが2個1組になっていることが多い」というのがありますが、近づきすぎると噛まれる可能性もあるので観察する時は気を付けましょう。
 
ちなみに、私が少し調べたところによると、長良川ではまだ交雑種は発見されていない様ですが、既に同じ岐阜県の飛騨川や木曽川では交雑種が発見されているそうです。
そんなオオサンショウウオですが、その存在は川の生態系の重要な一部であり、我々ダイバーにとっても大きな楽しみのひとつとなっています。
 
さらに、長良川には「アユ」「オイカワ」といった淡水魚も生息しており、これらの魚たちが
透明な水中で優雅に泳ぐ姿を観察することができます。
 
冒頭でも述べましたが、長良川でのダイビングは流れがある為、十分なダイビング経験と技術が求められます。
流れに対応しながらのダイビングは、スリル満点であり、ダイバーにとっては特別な達成感をもたらしてくれます。
 

 
初心者には少し挑戦的かもしれませんが、経験豊富なダイバーには非常に魅力的なスポットです♪。
また、ダイビングの後には、長良川周辺の豊かな自然やおいしいごはんでたくさん癒されましょう!
周辺の観光スポットも合わせて楽しむことで、充実したひとときを過ごせますよ♪
機械があれば、ぜひ一緒に長良川へ潜りに行きましょう!
 
ノリス大阪店 橋本一志

 
 
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マスクのレンズはどうして曇る?&その対策!

マスクレンズの曇りについて

ダイビング中に起こるマスクレンズの曇りについては、初心者や水が苦手な方にとってはトラブルの元ですので、たかがマスクの曇りと楽観視しないようにしましょう。
場合によっては、曇りに気づかず、視野が狭くなっていき、それが原因で別のトラブルに陥ってしまう可能性もあるのです。
あなたが一緒に潜っているバディがそのような状況になっていたなら、マスククリアを促すか、ガイドに教えてあげてください。
 

 
さて、そもそも、ダイビング中にマスクのレンズが曇るのはどうしてなのでしょうか?
その原因はいくつかありますが、大きいものは2つ。
まず1つ目が
マスクのレンズとマスク内の温度差による結露
です。
 
これは普段の陸上生活でも同じようなことは起こります。
窓ガラスを拭く際、窓ガラスに「はぁ~っ」と息を吹きかけたことがありませんか?
その際、少しの間ですが息を吹きかけた部分が曇ると思います。
これは「窓ガラス本体の温度と吹きかけた息の温度差による結露」によって曇っているのです。
このように、窓ガラスや眼鏡のレンズ、ダイビングのマスクのレンズの温度とそれに触れている物の温度差によって結露が起こるのです。
 

 
実際のダイビングシーンで言いますと、
ダイビング中にマスクのレンズは、レンズに触れている海水の温度とほぼ同じになっています。
そこにダイビングにまだ不慣れな方がやってしまいがちな「鼻呼吸」によって体温に近く暖かい空気が鼻からマスク内に出されると・・・(何も対策をしていなければ)その温度差によってマスク内に結露(曇り)が発生するのです。
潜っているところの水温と自分の体温を比べますと、体温の方が高いですからね。
 
このような結露を防ぐ手段が大きく2つ。
1つ目は当たり前ではありますが、
曇り止めを塗る事
 

 
そしてもう1つが
鼻呼吸を極力しない事です。
極力と記載はしましたが、ダイビング中はマスククリア時とマスクのスクイズの緩和時以外の常時です。
 
まず、大抵の方はダイビングをする際、何かしらの曇り止めをされていると思います。
曇り止めが効いていれば、ダイビング中にレンズの結露はまず起こりません。
しかし、ダイビング開始時は曇っていなかったのに、ダイビング途中でマスクのレンズが曇りだすという方は、鼻呼吸を少なからずしているのです。
そして当然ではありますが、レンタルのマスクは論外です。
レンタルのマスクは顔に合っていない場合や、使い古されてシリコンが硬化したり、変形したりして新しいマスクと比べてどうしても水が入り易くなります。
そうなると、マスククリアの回数が増え、それにより、せっかく塗っていた曇り止めがどんどん取れてしまい、曇りだします。
なので論外なのです。
自分に合ったマスクをしている方でも、鼻呼吸を必要以上にしてしまう事で、実はレンタルなどの顔に合っていないマスクに近い状態が起こってしまうのです。
 

 
マスクが曇る大きな原因とされるもう1つは
レンズについた油膜(被膜)
です。
これがあると、せっかくの曇り止めも効果が大幅減・・・。
 

 
少し業界の話にもなりますが、マスクを実際にお客さまが使用されるまでには
メーカーで製造 → 輸送 → ノリスなどのお店に届き、陳列(保管)期間があり → お客さまが購入 → 使用。
という流れになります。
 
この「製造」から「使用」までの期間は、当たり前ですがまちまちですよね。
 
実は、この期間が曲者でして
ダイビングマスクのスカート(顔などにひっつくゴムの部分)の素材、シリコン。
このシリコンが上記の期間で揮発してレンズに付着していくのです。
これがよくダイバーの言う新品マスクについている「油膜(被膜)」と言われるものの正体です。
 
この油膜(被膜)がある事で、そのまま曇り止めを塗っても、思った効果が発揮されないのです。
 
そこでよく行われるのが
「研磨剤の入っていない歯磨き粉で内側のレンズを磨く」
というものです。
しかし、これは意外と面倒なもので、油膜(被膜)を落としきるまでは複数回行う必要があります。
1回だけでは落としきる事はできません。中性洗剤も同様です。
さらに、上記のように揮発したシリコンは当たり前ですがレンズ以外のスカート部分にもついていますので、そちらも洗ってあげる必要があります。

 
そこで便利な物・方法を紹介♪
シーバフ(SEA BUFF)
 

 
 これはダイビング専用グッズです。しかもマスクの油膜(被膜)を落とすだけの専用の液なのです!
 この液をつけてこするだけ。
 
 
この作業は、新品使用前だけでなく、定期的にマスクのメンテナンスをされる際にも行われることをお勧めします。
スカート部分を洗う際は、ゴムなので傷つけないよう、ゆっくりこすりましょう。

 
これらがダイビングのマスクが曇る大きな2つの原因です。
ですので、マスクを曇らせないためには、
極力鼻呼吸をしないこと
が一番効果的だと言えます。
 
ちなみに、日焼け止めや女性の方などがされるお化粧、これも結露の要因の1つとも言われているので、ダイビング前にできる限り落とされてからエントリーされることをお勧めします。
上記の油膜(被膜)取りは、初使用前だけでなく、曇り止めが効きにくくなったと感じたら同じように行ってください。
毎回は不要ですが、定期的に行う癖をつけているとより良いでしょう。
 
余談ではありますが、新しい自分のマスクを手に入れた時に確認して頂きたいのが
レンズが曇り止め加工されている物か、そうではないものなのか。
通常のレンズは曇り止め加工されてはいませんが、度付きのレンズや何かしら加工が施されたレンズは曇り止め加工がされている場合もありますので、しっかり確認しましょう。
万一、曇り止め加工されているのを知らずにシーバフ等を使ってしまうと・・・もったいない。
& 曇り止めお買い上げありがとうございます♪ となってしまいます(笑)
 

 
あと最近では、「曇り止めフィルム」なるものが登場しているメーカーもあります。
この曇り止めフィルムについては、大体のメーカーがその効果を50ダイブ程度としています。
ちなみに曇り止めフィルムについては、塩素の入ったプールで使用すると、その効果が短くなると言われていますので、ご利用の際はご注意くださいね。
 
冒頭にも書きましたが、マスクの曇りについては、初心者や水が苦手な方にとってはトラブルになる元ですので、たかがマスクの曇りと軽視しないでください。
そして、マスクの曇りについては、初心者や水が苦手な方に限ったものではありません。
ドリフトダイビングなどで水流に逆らわなければならない時や、水面移動が長かった後等、息が荒くなってしまった時はマスクは曇りがちになります。
また、水温と呼気の温度差が大きくなる冬季や寒冷地でのダイビングも要注意です。
これらを参考にマスクのトラブルに注意してダイビングを楽しんで下さいね。

 

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ビギナー向け①【安全ダイバーを目指そう!】

安全ダイバーを目指そう

ダイバーになるための一番最初コース、オープンウォーターダイバーコースでは、ダイビングの基本テクニックや基本ルールを学びます。
そして次のコース、アドバンスドオープンウォーターコース(以下、AOWコースと略)では、遊びの幅を広げます。
しかしこのAOWコースの内容や受講後についても、安全面の知識や技術面ではオープンウォーターレベルと大差はありません。
 
そうなると遊びの幅が広がった分、それに見合った安全レベルが必要となります。
部分的にはスペシャルティコースでも学びますが、遊びの範囲が広がった
ダイバー向けの安全講習としておススメなのがレスキューダイバーコースなのです。
 

レスキューダイバーコースとは

PADIレスキューダイバーコース
 
レスキューダイバーコース・・・。
このコース名を聞いた時、第一印象としては
「しんどそう」
「人助けとかインストラクターさんが一緒に潜っているから必要ないし・・・」
「難しいんでしょ」

といったイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。
 
PADIレスキューダイバーコース
 
確かに、講習ではシミュレーションではありますが実際に救助方法を実習で行います。
このコースではそれらを習得することも重要な内容の1つではありますが、
更に重要と言えるものを、学科や実習の過程で学ぶことできるのです
 
まず、このレスキューダイバーコースですが、
 
受講前資格は
① PADIアドバンスドオープンウォーターダイバー(もしくは他団体の同等レベルCカード保持者)
   ※厳密にはアドベンチャーダイバー以上ですがノリスではアドバンス以上としています
② EFR(エマージェンシーファーストレスポンス)コース受講済み者
です。
 
PADI EFR講習
 
ノリスでのEFR講習
 
※欲を言うと、PPB(中性浮力)が取れるようになっているとベターです。
 

レスキューダイバーになったらどうなるの?

ノリスでレスキューダイバーになろう
 
レスキューダイバーコースを修了すると
1. トラブルを未然に防ぐ能力が身につきます。
2. 緊急時の応急処置ができます。
3. 自分自身の安全性が高まります。
4. 他のダイバーを気遣う意識が高まります。
5. 負傷したダイバーの救助や、事故時の救命方法が身につきます。
6. 水中捜索方法がマスターできます。
 
という感じなのですが、既に目立たせておりますが、特に上記の1つ目が重要なのです。
 
色々なダイビングをしていて考えられる様々な小さなトラブル。
潜水事故はそんな小さなトラブルの積み重ねで起こります。
 
そういったトラブルについて、
「どういう状況になったらトラブルが起こる可能性が上がるのか」
「何がトラブルの原因に成り得るのか」等、
トラブルの元まで学びます。
 
ノリスでのレスキューダイバー講習
 
そうすることで、普段の何気ないダイビングでも、プレダイブセーフティチェック時からトラブルの元となる小さなイレギュラーを未然に防ぐ事が出来るようになるのです。
 
このように、トラブルを未然に防ぐ知識もあり、万一のトラブルが起こった際も最低限の対処・対応ができるダイバーを育成するのがレスキューダイバーコースです。
 
ですので、このレスキューダイバーコースは
「安全ダイバー育成コース」
とも言われているのです。
 
ちなみに実習で行うシミュレーションは、シナリオを組んで行いますので、やってみると意外と楽しい講習なんですよ。
自分だけでなく、周囲の一緒に潜るダイバーの為にも、ぜひ安全ダイバーを目指していただけたらと思います。

 

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プロが教える【ちょっと得するダイバー豆知識 ②】新しいハンドシグナルはご存じ?

前回の内容【耳抜きのコツと練習グッズ】はこちらからどうぞ

新しいハンドシグナル

スキューバダイビングの入門コースと言える、PADIオープンウォーターダイバーコースでも学ぶ多くのハンドシグナル。
ダイバーの皆様はしっかり覚えていますか?
その中に2020年8月、新しいハンドシグナルが加わったことはご存知でしょうか?
ちなみにまだ、現在使用されているマニュアルにも未掲載です。
 
どんなハンドシグナルかと言いますと
「調子が悪い」「体調が悪い」です。
 
新しいハンドシグナル「体調が悪い」
 
指を(一本でも二本でも三本でも四本でもいいので)自分の方を向け、頭とおへそ辺りを通る感じに大きくサークルを描きます。
※サークルが小さいと、その部分(器材等)がおかしいと勘違いされる可能性もあります。
回す方向や左右のどちらの手という事は関係ありません。
 
ハンドシグナルの使い方の例で言いますと
「何か変だ」 → 「体調が悪い」 → 「浮上したい」 という感じで複数のハンドシグナルと組み合わせて使用します。
 
どうしてこのようなハンドシグナルが追加されたかと言いますと、
まず、ノリスでもそうですがダイビング前にメディカルチェックを行っているプロショップは多いです。
しかし、それはダイビング前だけの話であって、ダイビング中に体調を崩す可能性もあります。
そして実際、PADIの報告では、ここ最近起こったダイビング事故の約70%が、「ダイビング中の体調悪化」によるものだということです。
 
なので、こういった水中での体調変化に対応するために追加されたという事です。
ダイビング中に健康な方が急変することはほぼありませんが、高血圧や心肺に疾患があり、医師のOKが出た上でダイビングをしている方が「浸漬性肺水腫(しんしせいはいすいしゅ)」になったという事例があるそうです。
浸漬性肺水腫は、呼吸困難になる疾病の1つで、肺から酸素を上手く取り込むことができなくなることによる症状で、水泳やスキンダイビングなどでも起こり得ます。
ダイビングやスキンダイビングの終盤・浮上していくにつれ、環境圧は低下していきます。
それに従い肺胞腔内の酸素分圧が急に低下していき、呼吸がしにくくなり、場合によっては水面近くで意識を失ってしまうということもあるそうです。
素潜り前の過換気は当たり前ですが本来してはいけません。
素潜りを何回も続けてくと、体がと二酸化炭素を蓄積することに慣れてきます。
そうなると、もちろん長く潜れるようになるのですが、体はその分、より低酸素状態になっていきます。
ですので、素潜りでの潜水事故は潜り慣れた頃に起きる事が多いという事を知っておいてください。
 
浸漬性肺水腫の自身の疾患以外の原因としては、「寒さ」「締め付け」などがあり、これらにも注意が必要です。
無理をして適温でない海にウエットスーツで潜ったり、体に合っていないスーツを身に着けて潜ったりということも原因の1つとも言われていますので、必ず自分の体に合ったスーツ、そして真夏以外ではドライスーツを使用するようにしてください。

 

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プロが教える【ちょっと得するダイバー豆知識 ①-4】耳抜きのコツと練習グッズ

前回までの内容はこちらからどうぞ
【耳抜きのコツ - 前編】
【耳抜きのコツ - 後編】
【耳抜き練習グッズ - 前編】

耳抜き練習グッズ - 後編

前回紹介しましたオトヴェント。
一般ダイバーや旅行先で体験ダイビングをされて耳抜きがうまくいかず、現地の人に聞いてノリスにオトヴェントを求め、来店される方も年間数名おられます。
やはり、オトヴェントは知名度・お求めやすさ・実用性の全てにおいて一番重宝されている耳抜き練習グッズではないでしょうか。
 
さて、用途はオトヴェントとは若干異なりますが、ランニングコスト面だけで見ると、オトヴェントよりも安くなる耳抜き練習グッズを1つ紹介します。
その名もYearHopper(イアーホッパー)
 
イアーホッパーyearhopper
 
正式名称、「自己耳管通気装置」という堅苦しい名前で、こちらもオトヴェント同様、滲出性中耳炎を改善するための器具です。
どういうものかと言いますと、ボタンを押すだけで本体からコンスタントに一定量の空気を自動的に送り出してくれます。
その空気を鼻腔(鼻の孔)から耳管に送って耳管を開けるという仕組みです。
ですので、正直イアーホッパーに関しては、耳が抜けた感覚を理解するという用途としてはいいのですが、オトヴェントのように、「自分で息む強さを覚え、耳抜きをする感覚を掴む」ということまでは難しいでしょう。
 
イアーホッパーyearhopper
 
ただ、イアーホッパーには、オトヴェントの様にパーツ(バルーン)の使用回数制限はありませんので、人によっては継続して使用することで、耳管が開きやすくなり、耳抜きがしやすくなる可能性は大いにあります。
あと、ランニングコスト面ではオトヴェントよりも安くなるとは言いましたが、購入する値段が少し高めなのがネックです。
なので、一般の方は「お試しで・・・」と手を出すのは少し難しいと思います。
 
他に、耳抜き練習グッズではありませんが、
耳抜きに関連したアイデアグッズ(?)も合わせて紹介します。
 
1つ目はダイビングやスキンダイビング用の耳栓です。※通常の耳栓とは異なります。
耳栓に開いた特殊な通気口により、耳に感じる水圧の変化を緩やかにしてくれるものです。
ですので、この耳栓をしても耳抜きはしなければなりません。
 
ダイビング専用耳栓
 
これに関しては、耳抜きができる人が、耳抜きをするタイミングが遅れないように補助してくれるようなものと考えると良いでしょう。
ただ、人によっては、耳が抜けやすくなったと感じる方もおられるそうですし、人によっては、いわゆる耳栓をした状態で潜るので、気になってしまったり耳栓の方に違和感を感じてしまう方もおられるそうです。
サイズもあるので、購入の際はご注意を。
 
もう1つは「プロイヤーマスク(ドライイヤーマスク)」です。
耳に水が浸入しないように耳が覆われたパーツが付いた特殊なマスクです。
マスクのスカート部分と耳を覆っている部分(イヤーカップ)がホースでつながっており、マスク側からイヤーカップへ空気を送り込むことで、耳抜きをしやすくするというものです。
ですので、こちらも耳抜きをする必要はあります。
 
この2つに関しましては、あくまで耳抜きの補助グッズとしてお考えいただけたらと思います。
 
今回は耳抜きに関連したグッズを紹介しましたが、これらを使用する・しないに関わらず、無理は絶対に禁物ですよ。
何度も書きますが、ノリスを含めたダイビングプロショップのスタッフも、あくまでダイビングのみのプロであって、医者ではありません。
ですので、お客さまの耳抜きに関してアドバイスや上記のようなグッズの紹介はできますが、厳密な診療は当たり前ですができません。
どうしても判断できない、気になるという時は必ず耳鼻科へ行ってください。
悩んでいても何も変わりません。
行けば自分の状態がわかるわけですので、その情報をもとにプロショップのスタッフへ相談されると良いでしょう。
善は急げです。

 

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プロが教える【ちょっと得するダイバー豆知識 ①-3】耳抜きのコツと練習グッズ

前回までの内容はこちら
【耳抜きのコツ - 前編】
【耳抜きのコツ - 後編】

耳抜き練習グッズ - 前編

さて、前回までで、鼻のつまみ方、耳抜きのタイミングについて紹介してきましたが、
そうはいっても、なかなか耳抜きの感覚(バルサルバ法で言う、鼻をつまんで息む強さ)や、耳抜きができているという感覚が分からないという方も多い事でしょう。
 
そこで、ご紹介するのが、耳抜きの練習グッズとしておそらく一番有名な
Otovent(オトヴェント)です。(何か通販番組見たいですね。)
もちろん、ノリスで購入可能(店頭にない場合もお取り寄せ可能)です♪
 
オトヴェントotovent
 
元々は主に小さな子どもに見られる滲出性(しんしゅつせい)中耳炎(※中耳腔での炎症時に出る液体が、本来、耳管から喉の方へ流れるのですが、耳管が機能せず、中耳腔内にたまる中耳炎)を改善させるために開発されたものだそうで、それを理想的な耳抜きを身につけるための練習道具として用いているのです。
で、オトヴェントはバルサルバ法の、息む強さ(どれくらいの強さで空気を送りだしたらいいのか)やその感覚を習得する為のものです。
ですので、間違っても「耳抜きができるようになる道具」「耳が抜けにくいのを治す道具」ではありませんので、誤解が無いようにお願いします。
 
オトヴェントotovent
 
取り扱い方法は説明書に記載されていますが、どういうものかと言いますと、片方の鼻をふさいだ状態でもう一方の鼻で専用のバルーン(風船)を膨らませるというものです。
 
オトヴェントotovent
 
そのポイントとしては、
 
① 一気に息まないこと。鼻をかむ時のように息む力が強いと、鼓膜を傷める可能性が高くなり耳も抜けづらくなります。
  思い切り吸って、「フンッ!」としないように、少し息を吐き気味で、ゆっくり押し出す感じにするとよいですね。
 
② 適切なスピードで行う。大体4秒~5秒くらい(2~3秒で膨らませ、2秒膨らんだ状態を維持)に1回が目安。
  強く息むとバルーンは膨らみますが、それを実際にやってしまうと鼓膜を傷めるでしょう。そうならないためにこの時間が設定されているのです。
 
オトヴェントotovent
 
  膨らませる大きさの目安は「グレープフルーツ大」です。
  膨らませるスピードは、ゆっくり過ぎると通常の潜降スピードに間に合わないので上記のスピード位が望ましいです。
  膨らませている途中や、2~3秒膨らんだ状態を維持している途中で耳が抜ける音がしたとしても、所定の時間が来るまでは途中でやめないようにしましょう。
 
この2つをオトヴェントなしの状態でも再現できる様にする事が、オトヴェントを使用する最終目的なのです。
もちろん、水中にオトヴェントを持っていくことはできませんし、一度できたからと言って終わりというものでもありません。
 
※膨らませるバルーンについては、専用のものを必ず使用し、20回以上同じバルーンで練習を行わないことも知っておきましょう。
 市販の風船等を使ってしまいますと、適切な膨張圧力が足りない・強すぎるなどがあるので代用は禁止されています。
 
耳抜きの練習は陸上であっても反復練習しておくべきです。
1日どれくらい練習すればよいのか。もちろん、最初は数回で十分ですが、徐々にその回数を増やしていきましょう。
実際、1ダイブで行う耳抜きの回数を考えてみるといいでしょう。
ボートダイビングで考えると、おそらく1ダイブで20~30回くらいはしているのではないでしょうか。
それを1日2ダイブしたとすると、50~60回。3ダイブなら・・・。
 
オトヴェントで感覚をつかんだあとの練習は、理想を言えば、これくらいは練習したいですね。もちろん、無理は禁物ですよ。
ですが、上記に記載した通り、バルーンの使用回数制限があるので、何度も行うとバルーン(バルーンだけの商品もあります)がもったいないですよね。
なので、バルーンでの練習でできるだけ早く感覚をつかんでしまい、あとは手で鼻をつまんで実際にやってみる。上手くいけばそれで反復するようにしましょう。
 
この続きは【耳抜き練習グッズ - 後編】へどうぞ。
 

 

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プロが教える【ちょっと得するダイバー豆知識 ①-2】耳抜きのコツと練習グッズ

前回の内容【耳抜きのコツ - 前編】はこちらからどうぞ

耳抜きのコツ - 後編

さて、前回お話ししたように、上手く鼻をつまむ(鼻の孔をふさぐ)事が出来るようになったら、あとは耳抜きのタイミングです。
 
padi_ok
 
耳抜きのタイミングについては、PADIオープンウォーターコースの学科中や様々な場面で話がでますが、まず「痛くなってからでは遅いよ」という事です。
そして、こちらもオープンウォーターコースの学科で学びますが、水圧の変化は水深が浅いほど変化する割合が大きいという事です。
水深17mから18mへ行く時の圧力変化よりも、0m(水面)から水深1mに行く時の圧力変化の方が大きいという事ですね。
一般に、水深10mくらいまでが、耳抜きを頻繁にする必要があり、耳抜きが苦手な方にとっては要注意の区間(?)と言われています。
 
よく言われる耳抜きのタイミングと間隔は(あくまで耳抜きが苦手な方に向けた目安です)
① 潜降前に水面で一度耳抜きをする
② 水深5mくらいまでは、50cm毎に1回
③ 水深5m~10mまでは、1m毎に1回
④ それ以降は耳が痛くなる前、違和感を感じる前に早め早めに行う
というタイミングですね。
 
「途中までいい感じで耳抜きができていたのに、抜けなくなった」という方もおられるでしょう。
その対処はありきたりではありますが、まず、耳の痛みがおさまる深度までゆっくり浮上し、そこでもう一度耳抜きを試みましょう。
もし、片方の耳だけが抜けない場合も、同様に少し浮上して再度試みたり、抜けない方の耳を上に向けて(首を傾げる感じで)、再度試みましょう。
このようなことを何度かトライしても耳が抜けなくなってしまったという場合は、ガイドにそのことを伝え、指示に従いましょう。
間違っても自分だけで判断し、勝手に浮上することが無いようにしてください。
(耳に違和感がある時のハンドシグナルは覚えていますか?)
 
実際に水中で行う耳抜きに関しては、これからダイビングを始める方でしたら、オープンウォーターコースの限定水域講習をノリスは基本プールで行うので、そこで練習していく方が多いです。
特に、ノリス神戸舞子店のプールの様に、「はしご」がついているプールなら、自分のペースで潜降できるので、より安心ですよ。
 
はしご 耳抜き ダイビングプール
 
既にダイバーの方でも、リビューコースやビーチダイビングなどから(もちろんプールでも可)練習していく方法もあります。
ただ、前に書きました通り、水圧の変化は水深が浅い方が大きいので、人によっては、ビーチダイビングよりもボートからのロープ潜降の方が意外と楽という方もおられます。
 
当たり前ですが、耳が痛いのに我慢して潜ったり、耳が抜けないからと言って思いっきり息んだりしてしまうと鼓膜を破ったり、傷つけたりしてしまいかねませんので、無理は禁物ですよ。
 
どうしても耳抜きができないという方に関しては、耳鼻科で診療していただく事を強くお勧めします。
決して自分で判断しないことです。私どもダイビングプロショップのスタッフも医師ではありませんので、そこは必ず医師にの診断を受けてください。
 
しかし、以前の「耳抜きとは」でもお話ししました、陸上で出会う耳抜きのシーンで、耳抜きができている人や、耳鼻科で耳管機能に問題が無いと診断された人は、水中でも耳抜きをすることが可能なはずです。
もちろん陸上とは環境が違いますので、前回と今回で紹介したいくつかの方法で試してみてください。
鼻のつまみ方と同様に、ご自宅でマスクをつけて練習するのも良いでしょうし、そのままお風呂(マスクのゴムに良くないので熱すぎないように)で練習というのもいいですね。
そうやって、まず何より正しい耳抜きの仕方を覚えていく必要があります。
 
この続きは【耳抜き練習グッズ - 前編】へどうぞ。
 

 

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プロが教える【ちょっと得するダイバー豆知識 ①-1】耳抜きのコツと練習グッズ

前回の内容【どれくらい潜ったら上手くなるの??】はこちらからどうぞ

耳抜きのコツ - 前編

以前、耳抜きについてお話ししましたが、まだ読まれていない方は先にそちらを読んでからこちらの内容をご覧頂けたらと思います。
 → → 【ダイバーになろう ⑤】耳抜きとは はこちらをクリック ← ←
 
ダイビング耳抜き
 
今回はこれからダイビングを始めようとされている方だけでなく、実は既にダイバーになった方でも意外と多い「耳抜きに関するストレスや不安」について、「耳抜きのコツ」としていくつか紹介をしたいと思います。
そしてなかなか耳抜きが上手くできない、感覚がつかめないという方に向けての「耳抜き練習グッズ」も後半にいくつか紹介します。これらを計4回に分けて紹介していきますね。
 
さて、耳抜きの仕方ですが、「バルサルバ法」「トゥインビー法」「フレンツェル法」等が代表的なものとしてはあります。
まず、その特徴(耳抜きの仕方)について紹介したいと思います。
 
バルサルバ法:一番オーソドックス(?)な方法。鼻をつまんだ状態で鼻をかむような感じに息む方法です。鼻をつまんで「フンッ!」と息むのですが、強すぎるとだめですよ。
 
トゥインビー法:鼻をつまんだ状態で唾を飲み込む方法。ただ、ダイビング中は唾が出にくいので水中では使用しにくいですが、潜る前の水面で有効な方法です。
 
フレンツェル法:少し分かりにくいかもしれませんが、鼻をつまんだ状態で、舌の根元の方を上あごの方へ持ち上げるようにする方法です。
 
これら3つの方法に共通する「鼻をつまむ」という行為ですが、「陸上では耳抜きができる・できているのに、水中ではできない」という方は、上手く自分の鼻をつまむことが出来ていない可能性があります。
どうしてかと言いますと、まずダイビングのマスクは「鼻」の形にジャストフィットではありませんよね?周囲に余分な空洞があると思います。
 
ダイビングマスク フード
 
そして、一般的に「鼻をつまんでください」というと、顔の前方や前方斜め下くらいから手を鼻の方に持っていき、鼻をつまむと思います。
そうした時、陸上では問題なく鼻をつまむ(鼻の孔をふさぐ)事が出来ていたとしても、ダイビングのマスクを装着した状態では、マスクに空洞部分がある事で、人によってはマスクのノーズポケットの途中で鼻をつまんでしまい、結果、鼻をつまみきれていない(鼻の孔をふさぎきれていない)場合があるのです。
 
では、どうすればよいのか、どうすればマスクをつけた状態で上手く鼻をつまむことができるのか。
それは、マスクの下側から鼻をつまむのです。
両手の人差し指を使ってノーズポケットを両側から挟むようにする方法もありますが、ダイビングで一番最初にやってくる耳抜きのタイミングである潜降時には、ボートダイビングでは潜降ロープを持ちながら降りていくと思いますので、両手を自由に使う事はなかなかできません。
そう考えると、前者の方がベターでしょう。
 
ただ、マスクをつけた状態で鼻をつまむことができているかどうかを、いざ、本番のダイビング時、水中で・・・となると特に耳抜きが苦手な人にとっては分かりにくいです。
ですので、まず、陸上(自宅)でマスクをつけて鼻を確実につまむ練習をし、感覚を掴みましょう。
耳抜き自体が問題ない方については、陸上でマスクをつけた状態で耳抜きの練習をするとより効果的です。
 
この続きは【耳抜きのコツ - 後編】へどうぞ。
 

 

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プロが教える【ダイバーになろう ⑪】どれくらい潜ったら上手くなるの?

前回の内容【ダイブコンピュータは必要?】はこちらからどうぞ

どれくらい潜ったら上手くなるの?

この質問、意外と多くいただきます。
そして、浮力コントロールがなかなか上手くいかないのですが、あと何回くらい潜ったらできるようになれますかね?という質問も。
しかし、具体的に「●回潜ったらできます、上手くなります」と言い切る事はできません。
 
中性浮力
 
実際、経験ダイブ本数が50本の方が3名おられたとして、1名の方はダイビング歴1年間で50本、2人目の方はダイビング歴10年で、1年間に5本潜るだけという方。3人目の方はダイビング歴5年ですが、OWを取得した初年度に50本潜り、そこから4年間潜っていないという方。
この方々を経験本数50本のダイバーとして、ダイバーのレベルが同じとひとくくりにできるのか?
 
皆さんがお考えいただいても同じ答えだとは思いますが、もちろん「ひとくくりにできませんし、レベルも違います」。
これはダイバーレベルに限ったものではなく、浮力コントロールやコンパスナビゲーション、水中写真等様々な内容についても同じ事が言えます。
ですので、ここでは、出来る限り最短で上手くなる方法を紹介したいと思います。
 
<目次> ※目次から気になる内容へジャンプができます
 ・実は勉強と同じ!?
 ・ダイビングの「上手い」というレベル
 ・ライセンス取得コース修了後の実際のレベル
 ・ダイビング上達の最短距離
 ・ダイビングが上手くなるために必要なこと
 ・ダイビングってやっぱり難しいの?

 

実は勉強と同じ!?

「どれくらい潜ったら上手くなるのか?」この答えは「1日何時間勉強したら賢くなるのか?」と同じような答えになります。
 
よく「1日何時間勉強したら賢くなるのですか?」というような内容の話を日常の会話やTVなどで見聞きしたことはあると思います。
そしてこの質問に対して、よく言われる答えが、「時間ではなく勉強の仕方だ」「●時間勉強して賢くなるなら誰もがそうやっている」というものです。
もちろん、長時間勉強することでテストの点数が上がる方もおられますが、正直それでは効率が悪いですよね。
そして勉強ができる人に限って、そこまで時間をかけて勉強をしていないということも言われます。いわゆる、効率が良いのです。
 
この「効率」 = 「勉強法」が、一番差の出る部分なのです。
勉強は本来、学校で皆さん同じことを教わるので、理解度は別としてその時点での基本知識はほぼ同じです。
差が出てくるのはそのあとです。
日々の宿題をきちんとやっているか、復習をして習熟度を高めているか、(塾や自宅などで)応用問題をしているかなどです。
(もちろん、学校での授業の聞き方や要点のとらえ方によっても差はでてくるのですが・・・)
そういった学校の授業以外で行う「勉強法」については、朝と夜なら朝の方が良いという事や、同じ科目を長時間続けて行うより、一定時間ごとに科目を切り替える方が脳科学的にも勉強効率が良い、というようなものがいくつかあります。
これらを継続していくことが、成績UP = 賢くなるための近道になります。
 
1. 学校で様々なことを学ぶ
2. 復習を繰り返すことで習熟度を高め、自分の中に落とし込む
3. 進学先(小 → 中 → 高)で上の1と2を繰り返す
4. 社会に出た時に今まで学んだことを活用する
 
というような感じですね。

これらが、ダイビングにも当てはまるのです。
 

ダイビングの「上手い」というレベル

ダイビングと聞いて誰もがイメージする、「水の中を優雅に・自由に泳ぐ」ということ。
口では簡単に言え、頭でも簡単にイメージできるのですが、これがなかなか思い通りにはできません。
 
PADI中性浮力コース
 
ご存知の方も多いとは思いますが、教材にも載っている通り、スキューバダイビングは「器材中心型スポーツ」と言われています。
器材 = 道具を使うスポーツは多々ありますが、それらをプロまではいかなくとも、「上手い」と言えるレベルまで、数回・数日しただけで到達できるスポーツはありませんよね。
ゴルフで例えてみても、TVで見るような選手のフォームをイメージしてクラブを振るものの、最初はボールに当てる事すら難しいでしょう。
まして、クラブをボールの芯に当てて思い通りの方向へ安定して何度も飛ばす事は数回、数日ではできません。
 
これはダイビングも例外ではありませんし、先に述べた「水の中を優雅に・自由に泳ぐ」ことは、いわゆる「上手い」部類に属します。
 
そして、ダイビングは陸上ではなく「水の中」で行います。
水の中は陸上と比べ、ただでさえ動きにくく、自分の姿勢もどうなっているのかがわかりにくいです。
自分がどこにいるのか・どこから音が鳴っているのか等の方向感覚や距離感も同様に分かりにくいです。
その上、沢山の器材を身に着けます。
そしてそれらの器材を上記のような不自由な水の中で思い通りに操作しなければならないのです。

そう考えると、ダイビングで言う「上手い」レベルに達するのが簡単ではないという事がお分かり頂けると思います。
 

ライセンス取得コース修了後の実際のレベル

一般的に言われるライセンス取得コース=オープンウォーターダイバーCカード取得コースですが、このコースの実技は、世界最大のダイビング指導団体PADIでは5回です。
 
PADIオープンウォーターコース
 
オープンウォーターダイバーの認定を受けると、現地のサービスを通じれば世界中の自分が海洋実習をしたところと同じような海で潜ることができます。
そこで勘違いしてほしくないのが、あくまで「同じような海で潜ることができるだけ」ということです。
自分のレベルに合っていない海に潜ることだけはできたとしても、そこに安全は約束されていないのです。
そしてもちろん、そんなレベルに合わない海に潜ったとしても楽しいわけがありません。
 
あなたは、たった5回の実習(水中)で沢山の器材を使いこなし、それらを思い通りに使いこなし、イメージ通りに泳いだり浮いたり沈んだり止まったりすることをマスターできると思いますか?
もしあなたがオリンピックに出ることが出来るような競泳の選手で、普段から素潜りもしていて、体験ダイビングも複数回こなしているのでしたら、この5回の実習で「水中を優雅に・自由に泳ぐ」ことだけなら、可能かもしれません。
ですが、それ以外の一般の人にとって、それは正直、無理です。
更に言うなら「水中を優雅に・自由に泳ぐ」ことができたとしても、単にそれができるだけなのです。
万が一のトラブルや、一緒に潜っているバディ、メンバーの事を考えると、先にも述べました通り「安全は約束されてはいない」のです。
 
PADIダイビング
 
その上、海の中はプールの様にいつも透き通っていて、波も全く立たない、流れが全くないというところはありません。
ですので、一度できたからと言っても環境が変われば外的ストレスからできなくなる事もあるので、しっかり経験を重ね、安全面も含めてしっかり理解し、着実にマスターしていく必要があるのです。

ダイビングは一人の身勝手が周囲のダイバーをも危険にさらしてしまうという事を忘れないでください。
 

ダイビング上達の最短距離

先の勉強の例に合わせて表現しますと
 
1. ダイビングスクールで正しい(オープンウォーター)講習を受ける
2. 学んだスキルをツアーなどで実践し、自分のものにしていく
3. 継続教育を受け、ツアーで実践。できるだけ間隔をあけず2と3を繰り返す。
4. 一人前のダイバーに。水の中を優雅に・自由に泳ぐこともできるようになり、安全も約束される
 
という感じになります。
 
PADIライセンス取得学科
 
ダイビングで特に重要なことは、正しい講習を受けた上で実践を繰り返すという事です。
特にオープンウォーターコース以降の内容について、我流でやろうとしたり、プロではないダイバーからの助言に従ってしまうと、間違った覚え方や変な癖がついてしまい、上手くなるまで遠回りになってしまいます。
最悪、上手くならないということもあり得ます。
変な癖がついてしまっては、あとから正しい講習を受けたとしても、習得までは通常以上に時間がかかると思ってください。

小さい頃からの癖を大人になってから直そうとする大変さを思い浮かべていただけるとご理解いただけると思います。
 

ダイビングが上手くなるために必要なこと

これまでの内容を含め、上手く潜れるようになるために必要なことは
 
① 正しい知識・技術をしっかり学ぶこと
② 得た知識・技術をコンスタントに実践する場(ツアー)がある事
③ それらを応用する場(海)・ツアーの行先が複数ある事
 
です。
これらはどれか1つが欠けてもいけません。あえて1つ付け加えるなら自分の体に合った器材でしょうが、それはここでは省きます。
 
例えば「浮力コントロールをマスターしたい!」としましょう。
 
PADI中性浮力
 
浮力コントロールをマスターする為の手段を、上の①~③にあてはめますと
① オープンウォーターコース認定以降、早い段階でPADIの講習の中にある、中性浮力のスペシャルティ(PPB)コースを受講する。
② (プールで練習をしたりして)海で実践を繰り返す。
③ 色んな海・ダイビングポイントで応用。
です。それぞれを詳しく説明しますと、
 
① (※先に断っておきますが、これはコースの宣伝ではありません。)
  浮力コントロールをマスターすることは、ダイバーにとって必須のスキルと言っても過言ではありません。
  このような大切な内容を我流でやってしまったり、「潜れたらOK」のようになってしまってはいけません。
 
  「中性浮力が取れる」=「ホバリング(中層でピタッと止まること)ができる」ようなイメージをされる方は多いと思います。
  もちろん、ホバリングができることは、理想とする達成条件の1つでもあります。
  まずホバリングを含めた、多くの浮力コントロールに関係する事(潜降・浮上時の速度コントロールや、砂などを巻き上げないためのフィンワーク、BCDやその他器材の使い方、他多数)をウエットスーツ時・ドライスーツ時両方でできるようになる必要があります。
  その上で、安全を考慮し、場面場面でそれらを使い分ける事ができて初めて浮力コントロールをマスターしたと言えるのです。
  決してビギナーダイバーの前で格好をつけようとして、うねり・流れのある状況の中、ロープを持たずにフリー浮上して、コンピュータをピーピーならすようなことはあってはなりません。
 
PPBコース
 
② これはプールだけでは不十分です。ノリス神戸舞子店にもプールがあるのですが、プールでできたとしても、実際の海でできるという事ではありません。
  たまに「自社プールがあるので練習し放題!」と謳っているところもあるようですが、そこに記述されているようにあくまで「練習」です。
  プールだけでできても意味がありません。実際に潜るのは海(たまに湖や川)です。ウエイト量も違って来ますし、天候や海況等の外的要因からくるストレスで、プールでできたことが海では上手くできない。これはよくあることなのです。
  もちろん、全くプールで練習せずに海に行くよりは、プールで練習をしておいた方がいいでしょう。
  ただ、いつまでたってもプールで・・・という考えは捨て、ある程度できたら海で実践をし、そこで新たな課題が出たのなら、それに対してプールなどで再度練習をするようにしたらいいですよ。
  そしてコツをつかむまではできるだけ潜りに行く頻度を上げ、感覚を掴んでしまいましょう。
 
③ 「ダイビングショップを選ぶコツ」の話でも出ましたが、ツアーとして潜りに行っている回数自体が少なく、行先が数か所しかないダイビングスクールがよくあります。
  ( ダイビングショップを選ぶコツ へはこちら→ 前編 / 後編 )
 
  行き慣れた海で浮力コントロールがバッチリできたのなら、違う海・違うポイントでも浮力コントロールできるか実践していきましょう。
  ビーチダイビングではできるがボートダイビングではどうか、水底付近ではできるが中層ではどうか、底が見える状態ではできるがドロップオフの様に底が見えない場合はどうか、流れが無い状態ではできるが流れのある海ではどうか、ということですね。
 
ダイビング浮上
 
  そして、ウエットスーツではできるがドライスーツではどうかもお忘れなく。
  もちろん、自分のレベルにあっていない海では実践しないようにしてください。

  例えば、浮力コントロールが完璧でない上、ドリフト講習をしていないにもかかわらず流れのある海で実践しようとする。これはNGですよ。
 

ダイビングってやっぱり難しいの?

こういった話を聞いてしまうと「ダイビングって難しそうだなぁ」「私にはできるのだろうか」と深刻に考えてしまう方もおられるかもしれませんが、そこはご安心ください。
最初からできる人はいませんし、その為にノリスのようなダイビングスクールがあるのです。
初めて海に潜っただけで楽しいという方もおられますが、もっと上手くなって自由度が増すと、その楽しさは何倍にもなるのです。
これは何においても同じですよね。
 
ギンガメアジの群れ
 
とあるスポーツを始めた時、最初はしているだけで楽しい。でももっと上手くなりたい、●●ができるようになりたいと思い、練習をすると思います。
その間、練習が辛かったり、思い通りにいかずイライラしてしまったりすることもあるでしょう。
 
しかし、それを乗り越え、マスターした時には、最初の頃以上の楽しさを味わう事ができるのです。
勉強でも同じですよね。そしてダイビングでもそれは例外なく同じなのです。
 
唯一、勉強や一般的な陸上のスポーツ(先にの挙げたゴルフやテニスなど)と違うのは、自分のレベル以上のダイビングには危険が伴うという事です。
なぜなら、ダイビングの活動の場が水中だからです。
そして忘れてほしくないのが、何度も書きますが一人の身勝手な行動が一緒に潜っているダイバーをも危険にさらしてしまうということです。
 
バディ潜水
 
ですので、ダイビングはライセンス(オープンウォーター)を取っただけで、決して満足をしないでください。
そこがダイビングのスタートラインなのです。
たまに、ノリスに初めてご来店いただくお客様で、「友人にオープンウォーターダイバーの友人がいて・・・」という方がおられるのですが、申し訳ありませんが、安全レベルとしてはまだまだですし、オープンウォーターのレベルで楽しまれている方は、ダイビングの楽しさのうちの氷山一角しかまだ体験されていません。
もちろん、それでも「楽しい」と言われているのです。
ですが、先ほどから紹介しております通り、ダイビングの楽しみはまだまだこれからです。
せっかくオープンウォーターを取得し、そのままの状態で「楽しかった」というのでしたら、それ以降のもっと楽しい世界を楽しんでいただきたいです!
 
ジンベエザメ
 
もしあなたが具体的に潜ってみたい海、見たい生物がいるのなら、自分や一緒に潜っている他のダイバーを危険にさらさないためにも、そこに行き、安全・快適にダイビングする為に必要なことをマスターしてから行って下さい。
その目標が遠いものだとしても、その間にいくつかの途中目標を設定することで、最終目標に到達できるはずです。
ダイビングのスキルは単体で成り立っている物は少なく、他のスキルと何かしら関係している物がほとんどですので、途中目標も結構簡単にたてる事ができますよ。
このあたりは、ノリスのようなプロショップのスタッフにご相談くださいね。
 
さて、次回からは、これからダイビングを始める方だけでなく、始めて間もない方へ向けた「ちょっと得するダイバー豆知識」を紹介していきます。
その第一回目は、「耳抜きのコツと練習グッズ」の紹介をしたいと思います。やはり耳抜きというのは、ダイビングをこれから始めようと考えている方、既にダイバーだという方共通の大きなキーワードになっています。
以前、耳抜きについて紹介しましたので、その延長という形です。
 
ちょっと得するダイバー豆知識【耳抜きのコツ - 前編】はこちら。← ← クリック

 

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