2021年11月29日:兵庫県神戸市・舞子浜にて
■実施日:2021年11月29日
■実施場所:兵庫県神戸市・舞子浜
■参加人数:2名
今月2回目の海中清掃です。
大阪店
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086-255-3333 » WEB »大量発生したサンゴを餌とするヒトデ、オニヒトデを
官公庁の依頼で駆除活動を行いました。
※オニヒトデは危険なので通常のツアーやイベントでは行って
おりません。
YouTubeの「ハローキティチャンネル」とコラボして
神戸の舞子浜を海中班・陸上班に分かれてビーチクリーンナップを行いました。
近代化の代償とした水質の悪化や沿岸域の開発により、
アマモの生息地が大幅に減少しています。
「アマモ」は小さな魚や甲殻類たちの棲みかになるだけではなく
海をきれいにしてくれます。
さらに光合成により、二酸化炭素を吸収して酸素を作ってくれます。
そんな海の中の生き物にも我々人間にも重宝するアマモの移植を
地元の小学生たちと行いました。
ノリスの会員様やその関係者の方を中心に約100名が集まり
クリスマス時期にサンタの恰好をして海岸・海中清掃を行いました。
神戸新聞NEXTのYoutube
上記以外に、サンゴの植樹、サンゴを食べる貝の駆除なども行ってきました。
(通常の)海中クリーンナップは、現在も定期的に開催中です。
海岸清掃に関しましてはダイバーでなくてもできますので、
機会がございましたらぜひご参加くださいね。
兵庫県明石市にある大蔵海岸や神戸市にある舞子浜をはじめ、
高知県柏島、和歌山県白浜、和歌山県串本、
愛媛県明浜、岡山県渋川ビーチ等で海岸・海中清掃を行っています。
兵庫県明石市大蔵海岸
愛媛県明浜
高知県柏島
高知県柏島
和歌山県串本
岡山県渋川ビーチ
和歌山県白浜
和歌山県白浜
兵庫県明石市にある大蔵海岸にクリスマスの日に5名のダイバーが海中清掃を行いました。
その活動は神戸新聞にも取り上げられました。
和歌山県串本や田辺等で折れたサンゴの植樹活動を行いました。
スキューバダイビングの入門コースと言える、PADIオープンウォーターダイバーコースでも学ぶ多くのハンドシグナル。
ダイバーの皆様はしっかり覚えていますか?
その中に2020年8月、新しいハンドシグナルが加わったことはご存知でしょうか?
ちなみにまだ、現在使用されているマニュアルにも未掲載です。
どんなハンドシグナルかと言いますと
「調子が悪い」「体調が悪い」です。
指を(一本でも二本でも三本でも四本でもいいので)自分の方を向け、頭とおへそ辺りを通る感じに大きくサークルを描きます。
※サークルが小さいと、その部分(器材等)がおかしいと勘違いされる可能性もあります。
回す方向や左右のどちらの手という事は関係ありません。
ハンドシグナルの使い方の例で言いますと
「何か変だ」 → 「体調が悪い」 → 「浮上したい」 という感じで複数のハンドシグナルと組み合わせて使用します。
どうしてこのようなハンドシグナルが追加されたかと言いますと、
まず、ノリスでもそうですがダイビング前にメディカルチェックを行っているプロショップは多いです。
しかし、それはダイビング前だけの話であって、ダイビング中に体調を崩す可能性もあります。
そして実際、PADIの報告では、ここ最近起こったダイビング事故の約70%が、「ダイビング中の体調悪化」によるものだということです。
なので、こういった水中での体調変化に対応するために追加されたという事です。
ダイビング中に健康な方が急変することはほぼありませんが、高血圧や心肺に疾患があり、医師のOKが出た上でダイビングをしている方が「浸漬性肺水腫(しんしせいはいすいしゅ)」になったという事例があるそうです。
浸漬性肺水腫は、呼吸困難になる疾病の1つで、肺から酸素を上手く取り込むことができなくなることによる症状で、水泳やスキンダイビングなどでも起こり得ます。
ダイビングやスキンダイビングの終盤・浮上していくにつれ、環境圧は低下していきます。
それに従い肺胞腔内の酸素分圧が急に低下していき、呼吸がしにくくなり、場合によっては水面近くで意識を失ってしまうということもあるそうです。
素潜り前の過換気は当たり前ですが本来してはいけません。
素潜りを何回も続けてくと、体がと二酸化炭素を蓄積することに慣れてきます。
そうなると、もちろん長く潜れるようになるのですが、体はその分、より低酸素状態になっていきます。
ですので、素潜りでの潜水事故は潜り慣れた頃に起きる事が多いという事を知っておいてください。
浸漬性肺水腫の自身の疾患以外の原因としては、「寒さ」「締め付け」などがあり、これらにも注意が必要です。
無理をして適温でない海にウエットスーツで潜ったり、体に合っていないスーツを身に着けて潜ったりということも原因の1つとも言われていますので、必ず自分の体に合ったスーツ、そして真夏以外ではドライスーツを使用するようにしてください。
さて、前回お話ししたように、上手く鼻をつまむ(鼻の孔をふさぐ)事が出来るようになったら、あとは耳抜きのタイミングです。
耳抜きのタイミングについては、PADIオープンウォーターコースの学科中や様々な場面で話がでますが、まず「痛くなってからでは遅いよ」という事です。
そして、こちらもオープンウォーターコースの学科で学びますが、水圧の変化は水深が浅いほど変化する割合が大きいという事です。
水深17mから18mへ行く時の圧力変化よりも、0m(水面)から水深1mに行く時の圧力変化の方が大きいという事ですね。
一般に、水深10mくらいまでが、耳抜きを頻繁にする必要があり、耳抜きが苦手な方にとっては要注意の区間(?)と言われています。
よく言われる耳抜きのタイミングと間隔は(あくまで耳抜きが苦手な方に向けた目安です)
① 潜降前に水面で一度耳抜きをする
② 水深5mくらいまでは、50cm毎に1回
③ 水深5m~10mまでは、1m毎に1回
④ それ以降は耳が痛くなる前、違和感を感じる前に早め早めに行う
というタイミングですね。
「途中までいい感じで耳抜きができていたのに、抜けなくなった」という方もおられるでしょう。
その対処はありきたりではありますが、まず、耳の痛みがおさまる深度までゆっくり浮上し、そこでもう一度耳抜きを試みましょう。
もし、片方の耳だけが抜けない場合も、同様に少し浮上して再度試みたり、抜けない方の耳を上に向けて(首を傾げる感じで)、再度試みましょう。
このようなことを何度かトライしても耳が抜けなくなってしまったという場合は、ガイドにそのことを伝え、指示に従いましょう。
間違っても自分だけで判断し、勝手に浮上することが無いようにしてください。
(耳に違和感がある時のハンドシグナルは覚えていますか?)
実際に水中で行う耳抜きに関しては、これからダイビングを始める方でしたら、オープンウォーターコースの限定水域講習をノリスは基本プールで行うので、そこで練習していく方が多いです。
特に、ノリス神戸舞子店のプールの様に、「はしご」がついているプールなら、自分のペースで潜降できるので、より安心ですよ。
既にダイバーの方でも、リビューコースやビーチダイビングなどから(もちろんプールでも可)練習していく方法もあります。
ただ、前に書きました通り、水圧の変化は水深が浅い方が大きいので、人によっては、ビーチダイビングよりもボートからのロープ潜降の方が意外と楽という方もおられます。
当たり前ですが、耳が痛いのに我慢して潜ったり、耳が抜けないからと言って思いっきり息んだりしてしまうと鼓膜を破ったり、傷つけたりしてしまいかねませんので、無理は禁物ですよ。
どうしても耳抜きができないという方に関しては、耳鼻科で診療していただく事を強くお勧めします。
決して自分で判断しないことです。私どもダイビングプロショップのスタッフも医師ではありませんので、そこは必ず医師にの診断を受けてください。
しかし、以前の「耳抜きとは」でもお話ししました、陸上で出会う耳抜きのシーンで、耳抜きができている人や、耳鼻科で耳管機能に問題が無いと診断された人は、水中でも耳抜きをすることが可能なはずです。
もちろん陸上とは環境が違いますので、前回と今回で紹介したいくつかの方法で試してみてください。
鼻のつまみ方と同様に、ご自宅でマスクをつけて練習するのも良いでしょうし、そのままお風呂(マスクのゴムに良くないので熱すぎないように)で練習というのもいいですね。
そうやって、まず何より正しい耳抜きの仕方を覚えていく必要があります。
この続きは【耳抜き練習グッズ - 前編】へどうぞ。
以前、耳抜きについてお話ししましたが、まだ読まれていない方は先にそちらを読んでからこちらの内容をご覧頂けたらと思います。
→ → 【ダイバーになろう ⑤】耳抜きとは はこちらをクリック ← ←
今回はこれからダイビングを始めようとされている方だけでなく、実は既にダイバーになった方でも意外と多い「耳抜きに関するストレスや不安」について、「耳抜きのコツ」としていくつか紹介をしたいと思います。
そしてなかなか耳抜きが上手くできない、感覚がつかめないという方に向けての「耳抜き練習グッズ」も後半にいくつか紹介します。これらを計4回に分けて紹介していきますね。
さて、耳抜きの仕方ですが、「バルサルバ法」「トゥインビー法」「フレンツェル法」等が代表的なものとしてはあります。
まず、その特徴(耳抜きの仕方)について紹介したいと思います。
バルサルバ法:一番オーソドックス(?)な方法。鼻をつまんだ状態で鼻をかむような感じに息む方法です。鼻をつまんで「フンッ!」と息むのですが、強すぎるとだめですよ。
トゥインビー法:鼻をつまんだ状態で唾を飲み込む方法。ただ、ダイビング中は唾が出にくいので水中では使用しにくいですが、潜る前の水面で有効な方法です。
フレンツェル法:少し分かりにくいかもしれませんが、鼻をつまんだ状態で、舌の根元の方を上あごの方へ持ち上げるようにする方法です。
これら3つの方法に共通する「鼻をつまむ」という行為ですが、「陸上では耳抜きができる・できているのに、水中ではできない」という方は、上手く自分の鼻をつまむことが出来ていない可能性があります。
どうしてかと言いますと、まずダイビングのマスクは「鼻」の形にジャストフィットではありませんよね?周囲に余分な空洞があると思います。
そして、一般的に「鼻をつまんでください」というと、顔の前方や前方斜め下くらいから手を鼻の方に持っていき、鼻をつまむと思います。
そうした時、陸上では問題なく鼻をつまむ(鼻の孔をふさぐ)事が出来ていたとしても、ダイビングのマスクを装着した状態では、マスクに空洞部分がある事で、人によってはマスクのノーズポケットの途中で鼻をつまんでしまい、結果、鼻をつまみきれていない(鼻の孔をふさぎきれていない)場合があるのです。
では、どうすればよいのか、どうすればマスクをつけた状態で上手く鼻をつまむことができるのか。
それは、マスクの下側から鼻をつまむのです。
両手の人差し指を使ってノーズポケットを両側から挟むようにする方法もありますが、ダイビングで一番最初にやってくる耳抜きのタイミングである潜降時には、ボートダイビングでは潜降ロープを持ちながら降りていくと思いますので、両手を自由に使う事はなかなかできません。
そう考えると、前者の方がベターでしょう。
ただ、マスクをつけた状態で鼻をつまむことができているかどうかを、いざ、本番のダイビング時、水中で・・・となると特に耳抜きが苦手な人にとっては分かりにくいです。
ですので、まず、陸上(自宅)でマスクをつけて鼻を確実につまむ練習をし、感覚を掴みましょう。
耳抜き自体が問題ない方については、陸上でマスクをつけた状態で耳抜きの練習をするとより効果的です。
この続きは【耳抜きのコツ - 後編】へどうぞ。
この質問、意外と多くいただきます。
そして、浮力コントロールがなかなか上手くいかないのですが、あと何回くらい潜ったらできるようになれますかね?という質問も。
しかし、具体的に「●回潜ったらできます、上手くなります」と言い切る事はできません。
実際、経験ダイブ本数が50本の方が3名おられたとして、1名の方はダイビング歴1年間で50本、2人目の方はダイビング歴10年で、1年間に5本潜るだけという方。3人目の方はダイビング歴5年ですが、OWを取得した初年度に50本潜り、そこから4年間潜っていないという方。
この方々を経験本数50本のダイバーとして、ダイバーのレベルが同じとひとくくりにできるのか?
皆さんがお考えいただいても同じ答えだとは思いますが、もちろん「ひとくくりにできませんし、レベルも違います」。
これはダイバーレベルに限ったものではなく、浮力コントロールやコンパスナビゲーション、水中写真等様々な内容についても同じ事が言えます。
ですので、ここでは、出来る限り最短で上手くなる方法を紹介したいと思います。
<目次> ※目次から気になる内容へジャンプができます
・実は勉強と同じ!?
・ダイビングの「上手い」というレベル
・ライセンス取得コース修了後の実際のレベル
・ダイビング上達の最短距離
・ダイビングが上手くなるために必要なこと
・ダイビングってやっぱり難しいの?
「どれくらい潜ったら上手くなるのか?」この答えは「1日何時間勉強したら賢くなるのか?」と同じような答えになります。
よく「1日何時間勉強したら賢くなるのですか?」というような内容の話を日常の会話やTVなどで見聞きしたことはあると思います。
そしてこの質問に対して、よく言われる答えが、「時間ではなく勉強の仕方だ」「●時間勉強して賢くなるなら誰もがそうやっている」というものです。
もちろん、長時間勉強することでテストの点数が上がる方もおられますが、正直それでは効率が悪いですよね。
そして勉強ができる人に限って、そこまで時間をかけて勉強をしていないということも言われます。いわゆる、効率が良いのです。
この「効率」 = 「勉強法」が、一番差の出る部分なのです。
勉強は本来、学校で皆さん同じことを教わるので、理解度は別としてその時点での基本知識はほぼ同じです。
差が出てくるのはそのあとです。
日々の宿題をきちんとやっているか、復習をして習熟度を高めているか、(塾や自宅などで)応用問題をしているかなどです。
(もちろん、学校での授業の聞き方や要点のとらえ方によっても差はでてくるのですが・・・)
そういった学校の授業以外で行う「勉強法」については、朝と夜なら朝の方が良いという事や、同じ科目を長時間続けて行うより、一定時間ごとに科目を切り替える方が脳科学的にも勉強効率が良い、というようなものがいくつかあります。
これらを継続していくことが、成績UP = 賢くなるための近道になります。
1. 学校で様々なことを学ぶ
2. 復習を繰り返すことで習熟度を高め、自分の中に落とし込む
3. 進学先(小 → 中 → 高)で上の1と2を繰り返す
4. 社会に出た時に今まで学んだことを活用する
というような感じですね。
これらが、ダイビングにも当てはまるのです。
ダイビングと聞いて誰もがイメージする、「水の中を優雅に・自由に泳ぐ」ということ。
口では簡単に言え、頭でも簡単にイメージできるのですが、これがなかなか思い通りにはできません。
ご存知の方も多いとは思いますが、教材にも載っている通り、スキューバダイビングは「器材中心型スポーツ」と言われています。
器材 = 道具を使うスポーツは多々ありますが、それらをプロまではいかなくとも、「上手い」と言えるレベルまで、数回・数日しただけで到達できるスポーツはありませんよね。
ゴルフで例えてみても、TVで見るような選手のフォームをイメージしてクラブを振るものの、最初はボールに当てる事すら難しいでしょう。
まして、クラブをボールの芯に当てて思い通りの方向へ安定して何度も飛ばす事は数回、数日ではできません。
これはダイビングも例外ではありませんし、先に述べた「水の中を優雅に・自由に泳ぐ」ことは、いわゆる「上手い」部類に属します。
そして、ダイビングは陸上ではなく「水の中」で行います。
水の中は陸上と比べ、ただでさえ動きにくく、自分の姿勢もどうなっているのかがわかりにくいです。
自分がどこにいるのか・どこから音が鳴っているのか等の方向感覚や距離感も同様に分かりにくいです。
その上、沢山の器材を身に着けます。
そしてそれらの器材を上記のような不自由な水の中で思い通りに操作しなければならないのです。
そう考えると、ダイビングで言う「上手い」レベルに達するのが簡単ではないという事がお分かり頂けると思います。
一般的に言われるライセンス取得コース=オープンウォーターダイバーCカード取得コースですが、このコースの実技は、世界最大のダイビング指導団体PADIでは5回です。
オープンウォーターダイバーの認定を受けると、現地のサービスを通じれば世界中の自分が海洋実習をしたところと同じような海で潜ることができます。
そこで勘違いしてほしくないのが、あくまで「同じような海で潜ることができるだけ」ということです。
自分のレベルに合っていない海に潜ることだけはできたとしても、そこに安全は約束されていないのです。
そしてもちろん、そんなレベルに合わない海に潜ったとしても楽しいわけがありません。
あなたは、たった5回の実習(水中)で沢山の器材を使いこなし、それらを思い通りに使いこなし、イメージ通りに泳いだり浮いたり沈んだり止まったりすることをマスターできると思いますか?
もしあなたがオリンピックに出ることが出来るような競泳の選手で、普段から素潜りもしていて、体験ダイビングも複数回こなしているのでしたら、この5回の実習で「水中を優雅に・自由に泳ぐ」ことだけなら、可能かもしれません。
ですが、それ以外の一般の人にとって、それは正直、無理です。
更に言うなら「水中を優雅に・自由に泳ぐ」ことができたとしても、単にそれができるだけなのです。
万が一のトラブルや、一緒に潜っているバディ、メンバーの事を考えると、先にも述べました通り「安全は約束されてはいない」のです。
その上、海の中はプールの様にいつも透き通っていて、波も全く立たない、流れが全くないというところはありません。
ですので、一度できたからと言っても環境が変われば外的ストレスからできなくなる事もあるので、しっかり経験を重ね、安全面も含めてしっかり理解し、着実にマスターしていく必要があるのです。
ダイビングは一人の身勝手が周囲のダイバーをも危険にさらしてしまうという事を忘れないでください。
先の勉強の例に合わせて表現しますと
1. ダイビングスクールで正しい(オープンウォーター)講習を受ける
2. 学んだスキルをツアーなどで実践し、自分のものにしていく
3. 継続教育を受け、ツアーで実践。できるだけ間隔をあけず2と3を繰り返す。
4. 一人前のダイバーに。水の中を優雅に・自由に泳ぐこともできるようになり、安全も約束される
という感じになります。
ダイビングで特に重要なことは、正しい講習を受けた上で実践を繰り返すという事です。
特にオープンウォーターコース以降の内容について、我流でやろうとしたり、プロではないダイバーからの助言に従ってしまうと、間違った覚え方や変な癖がついてしまい、上手くなるまで遠回りになってしまいます。
最悪、上手くならないということもあり得ます。
変な癖がついてしまっては、あとから正しい講習を受けたとしても、習得までは通常以上に時間がかかると思ってください。
小さい頃からの癖を大人になってから直そうとする大変さを思い浮かべていただけるとご理解いただけると思います。
これまでの内容を含め、上手く潜れるようになるために必要なことは
① 正しい知識・技術をしっかり学ぶこと
② 得た知識・技術をコンスタントに実践する場(ツアー)がある事
③ それらを応用する場(海)・ツアーの行先が複数ある事
です。
これらはどれか1つが欠けてもいけません。あえて1つ付け加えるなら自分の体に合った器材でしょうが、それはここでは省きます。
例えば「浮力コントロールをマスターしたい!」としましょう。
浮力コントロールをマスターする為の手段を、上の①~③にあてはめますと
① オープンウォーターコース認定以降、早い段階でPADIの講習の中にある、中性浮力のスペシャルティ(PPB)コースを受講する。
② (プールで練習をしたりして)海で実践を繰り返す。
③ 色んな海・ダイビングポイントで応用。
です。それぞれを詳しく説明しますと、
① (※先に断っておきますが、これはコースの宣伝ではありません。)
浮力コントロールをマスターすることは、ダイバーにとって必須のスキルと言っても過言ではありません。
このような大切な内容を我流でやってしまったり、「潜れたらOK」のようになってしまってはいけません。
「中性浮力が取れる」=「ホバリング(中層でピタッと止まること)ができる」ようなイメージをされる方は多いと思います。
もちろん、ホバリングができることは、理想とする達成条件の1つでもあります。
まずホバリングを含めた、多くの浮力コントロールに関係する事(潜降・浮上時の速度コントロールや、砂などを巻き上げないためのフィンワーク、BCDやその他器材の使い方、他多数)をウエットスーツ時・ドライスーツ時両方でできるようになる必要があります。
その上で、安全を考慮し、場面場面でそれらを使い分ける事ができて初めて浮力コントロールをマスターしたと言えるのです。
決してビギナーダイバーの前で格好をつけようとして、うねり・流れのある状況の中、ロープを持たずにフリー浮上して、コンピュータをピーピーならすようなことはあってはなりません。
② これはプールだけでは不十分です。ノリス神戸舞子店にもプールがあるのですが、プールでできたとしても、実際の海でできるという事ではありません。
たまに「自社プールがあるので練習し放題!」と謳っているところもあるようですが、そこに記述されているようにあくまで「練習」です。
プールだけでできても意味がありません。実際に潜るのは海(たまに湖や川)です。ウエイト量も違って来ますし、天候や海況等の外的要因からくるストレスで、プールでできたことが海では上手くできない。これはよくあることなのです。
もちろん、全くプールで練習せずに海に行くよりは、プールで練習をしておいた方がいいでしょう。
ただ、いつまでたってもプールで・・・という考えは捨て、ある程度できたら海で実践をし、そこで新たな課題が出たのなら、それに対してプールなどで再度練習をするようにしたらいいですよ。
そしてコツをつかむまではできるだけ潜りに行く頻度を上げ、感覚を掴んでしまいましょう。
③ 「ダイビングショップを選ぶコツ」の話でも出ましたが、ツアーとして潜りに行っている回数自体が少なく、行先が数か所しかないダイビングスクールがよくあります。
( ダイビングショップを選ぶコツ へはこちら→ 前編 / 後編 )
行き慣れた海で浮力コントロールがバッチリできたのなら、違う海・違うポイントでも浮力コントロールできるか実践していきましょう。
ビーチダイビングではできるがボートダイビングではどうか、水底付近ではできるが中層ではどうか、底が見える状態ではできるがドロップオフの様に底が見えない場合はどうか、流れが無い状態ではできるが流れのある海ではどうか、ということですね。
そして、ウエットスーツではできるがドライスーツではどうかもお忘れなく。
もちろん、自分のレベルにあっていない海では実践しないようにしてください。
例えば、浮力コントロールが完璧でない上、ドリフト講習をしていないにもかかわらず流れのある海で実践しようとする。これはNGですよ。
こういった話を聞いてしまうと「ダイビングって難しそうだなぁ」「私にはできるのだろうか」と深刻に考えてしまう方もおられるかもしれませんが、そこはご安心ください。
最初からできる人はいませんし、その為にノリスのようなダイビングスクールがあるのです。
初めて海に潜っただけで楽しいという方もおられますが、もっと上手くなって自由度が増すと、その楽しさは何倍にもなるのです。
これは何においても同じですよね。
とあるスポーツを始めた時、最初はしているだけで楽しい。でももっと上手くなりたい、●●ができるようになりたいと思い、練習をすると思います。
その間、練習が辛かったり、思い通りにいかずイライラしてしまったりすることもあるでしょう。
しかし、それを乗り越え、マスターした時には、最初の頃以上の楽しさを味わう事ができるのです。
勉強でも同じですよね。そしてダイビングでもそれは例外なく同じなのです。
唯一、勉強や一般的な陸上のスポーツ(先にの挙げたゴルフやテニスなど)と違うのは、自分のレベル以上のダイビングには危険が伴うという事です。
なぜなら、ダイビングの活動の場が水中だからです。
そして忘れてほしくないのが、何度も書きますが一人の身勝手な行動が一緒に潜っているダイバーをも危険にさらしてしまうということです。
ですので、ダイビングはライセンス(オープンウォーター)を取っただけで、決して満足をしないでください。
そこがダイビングのスタートラインなのです。
たまに、ノリスに初めてご来店いただくお客様で、「友人にオープンウォーターダイバーの友人がいて・・・」という方がおられるのですが、申し訳ありませんが、安全レベルとしてはまだまだですし、オープンウォーターのレベルで楽しまれている方は、ダイビングの楽しさのうちの氷山一角しかまだ体験されていません。
もちろん、それでも「楽しい」と言われているのです。
ですが、先ほどから紹介しております通り、ダイビングの楽しみはまだまだこれからです。
せっかくオープンウォーターを取得し、そのままの状態で「楽しかった」というのでしたら、それ以降のもっと楽しい世界を楽しんでいただきたいです!
もしあなたが具体的に潜ってみたい海、見たい生物がいるのなら、自分や一緒に潜っている他のダイバーを危険にさらさないためにも、そこに行き、安全・快適にダイビングする為に必要なことをマスターしてから行って下さい。
その目標が遠いものだとしても、その間にいくつかの途中目標を設定することで、最終目標に到達できるはずです。
ダイビングのスキルは単体で成り立っている物は少なく、他のスキルと何かしら関係している物がほとんどですので、途中目標も結構簡単にたてる事ができますよ。
このあたりは、ノリスのようなプロショップのスタッフにご相談くださいね。
さて、次回からは、これからダイビングを始める方だけでなく、始めて間もない方へ向けた「ちょっと得するダイバー豆知識」を紹介していきます。
その第一回目は、「耳抜きのコツと練習グッズ」の紹介をしたいと思います。やはり耳抜きというのは、ダイビングをこれから始めようと考えている方、既にダイバーだという方共通の大きなキーワードになっています。
以前、耳抜きについて紹介しましたので、その延長という形です。
ちょっと得するダイバー豆知識【耳抜きのコツ - 前編】はこちら。← ← クリック
スキューバダイビングは、その教材にも出てくるのですが「器材中心型スポーツ」とも言われています。
ダイビングをはじめ、専用の器材(道具)を使用して行うスポーツの中に、たった数回行っただけでマスターできるものは存在しません。
ゴルフや野球、テニスやBMX、スノボ等すべてに同じ事が言えます。
ましてスキューバダイビングは通常人間が呼吸もできない水の中で行いますし、もちろん陸上の様に身動きも思い通りにはできません。
そして、器材のトラブルによる「万が一」が絶対にあってはならないスポーツです。
そんな特殊な環境下で行うダイビング、しかも専用の器材を複数(10種以上)身に着けて行う訳ですから、指導するダイビングプロショップでは、自分の器材を持つことを勧めないわけがありません。
器材1つ1つのレンタルと自分のものとの違いを述べるときりがありませんので、今回はその一部のみを紹介しますが、共通して言える事は、「自分の器材はレンタルよりも絶対に快適」だということです。
更に自分の器材ということは、同じものを毎回使用することになるので、使い方を早く覚えたり、感覚で覚える事ができるテクニックの習得速度にも影響してくるのです。
例えば(少しイメージしにくい方もおられるかもしれませんが)
BC(BCD/BCJ)という器材があります。
これはライフジャケットのように見える浮力調整具で、背部にはシリンダー(タンク)を取り付けます。
最近主流となっているBCは、シリンダー(タンク)を着けて背負った際にも腰に負担が少なく、且つ一体感があるもの。そしてよりフィットするように肩部分だけではなく、腰部分、その他も微調整できるものです。
メーカーによっては欧米人と比べると小柄で華奢な日本人女性に向けられた専用モデルもあるくらいです。
しかしレンタルの例で言いますと、S・M・L等のサイズ以外の調整がないものがあったりする上、BCに空気を入れたり出したりするインフレーターという部分の形状も複数にわたっています。
ボタンが2つあるもの、3つあるもの、同じ数でもボタンの配置を含むとその組み合わせは様々です。
更にまったく同じに見えても使用頻度などから空気の給排気量にも誤差があるのです。
もちろんレンタル器材は毎回同じものが借りられる保証はありませんし、使い古されたものが多いため、現行品よりも機能性・快適性は落ちます。
それに加え、使用前にスタッフが事前チェックを行うとはいえ、使用年数が経っているということと、器材に不慣れな方が使用する、そして使用後洗浄する。また自分のものではないので雑に扱う方もおられる。
これらの総合計で器材そのものの信頼度も落ちている可能性があるのです。
上記の事も含め、レンタルと自分の器材で言えば、安全度は自分の器材の方が格段に高くなります。
極端な話ですが自動車も含め、ダイビングの器材も「100%絶対に安全」ということは言えません。
しかし、いつも同じ車(器材)を使用することで車幅やブレーキ・アクセルを感覚的に把握し、わずかな違和感・異変を察知できるようになってきます。そうすることで、トラブルを未然に防ぐことができる。
これがダイビング器材では、レンタルのものよりも自分のものが安全度が高くなるという理由の1つなのです。
もちろん、安全度が高くなればなるほど、余裕も生まれ、快適になることは言うまでもありません。
逆に言えば、どんなにいい器材でも不慣れな人が使えば、安全・快適度は保障されないのです。
そして、いい器材を手に入れてもそれを繰り返し使用しなければ意味がないのです。
それらを何度も何度も繰り返し使用して行くことで、「限りなく100%の安全・快適」につながってくるのです。
そんな限りなく100%に近い安全・快適の正反対に位置するのが、「毎回違うレンタルを使用する経験の浅いダイバー」です。
たった一人のトラブルが場合によっては自分だけでなく、一緒に潜っているバディやチームにも悪い影響を与えかねません。
ダイバーならその責任は最低限理解しておきましょう。
このBCに限っての話ではありませんが、自分のものを繰り返し使用することで更なるメリットが生まれます。
上の車の例の際に使い慣れによる「感覚的把握」という話を出しましたが、BCにもこれがあるのです。
自分のBCはフィット感がよく、快適だということだけではなく、使い方を早く覚えたり、同じものを毎回使用するので、給排気の感覚もより早く習得することができます。
それにより、ダイビングでの最重要テクニックの1つとも言える中性浮力をマスターする為の第一段階をクリアすることができるのです。
中性浮力をマスターできれば、ダイビングの幅は格段に広がり、安全度も格段に上がります。そして環境にも他のダイバーにもやさしくすることができます。
あなたは、エントリー(水に入る)した水底がサンゴの群生だったら、それらを傷つけることなくホバリング(一定水深で自分を停止させる)できますか?
あなたは、着底後、砂や泥を巻き上げずに泳ぎだすことができますか?
あなたは、底が見えないほど深い所を安全に移動できますか?
潜降ロープが無いシチュエーションで、耳抜きが問題なくできる速度で安全に潜降することができますか?
浮上時、ロープ無しでも安全速度で浮上し、安全停止を行う事ができますか?
これら上記の内容は中性浮力講習のほんの一部です。
もちろん、自分のBCがなければ話になりません。
BCをはじめとする様々な器材を使い慣れる事によって起こるメリットは、技術面だけではなく、安全面を早く高めるということにも比例しているのです。
ライセンスを取得する為の学科講習で使用する指導団体の教材にも器材の内容がとても沢山でてきます。
それはもちろん、器材が大切・必要だからです。
もしあなたが一度でも体験ダイビングなどをして、特に耳抜きや水に対するストレス、身体的にも問題なく潜ることができたというのなら、ライセンス取得コースの早い段階で自分の器材を購入される方が良いでしょう。
体験ダイビングをして、ライセンス取得コースに進まれているという事は、体験ダイビングで「楽しみ切れなかった」「もっと楽しみたい」ということですよね?
あなたはダイビングが楽しいという事も体感・理解しており、それを楽しむための身体的問題にも問題がありません。
そんなあなたがライセンスを取得し、その後もダイビングを快適に楽しんで続けていくためには、自分の器材が不可欠なのです。
もしあなたが一度もダイビングをしたことがない場合でも、耳抜きができ、身体的にも問題ない状態で、水に対する過度なストレスが無い場合、ダイビングを本当に楽しみたいのなら同じ事が言えます。
何度も言いますが、器材中心型スポーツであるダイビングは、自分に合った同じ器材を繰り返し使用していくことで、安全度も快適度も増していくスポーツなのです。
そして、自分の器材がある事で、ダイビングのスキル(テクニック)の習得も早くなりますので、レンタルと比べ、結果、金額的にも安くなるのです。
ただ、購入に関しては、受講しているお店で買うのが、同じ商品だったとしてもその後のメンテナンス等を考えても絶対おすすめです。
金額だけで判断してしまうと、その後のダイビングライフを棒に振ってしまう事もありますので、ご注意くださいね。
さて、次回は一見レンタルでもよさそうな「スーツについて」 です。← ← クリック