前回の内容【ダイビングのスーツについて】はこちらからどうぞ
ダイブコンピュータってあった方がいいの?
先に答えを言ってしまうと、絶対にYesです。
おそらく、どのプロショップや現地サービスのスタッフに聞いても「あったほうがいい」「必須」という答えが返ってくると思います。
更に加えるなら「ダイブコンピュータはひとり一台で!」です!
もし、違う答えが返ってくるようなら、以下の内容を読んでいただき、ご自身で判断してください。
ダイブコンピュータの役割
そもそも、ダイバーでしたらダイブコンピュータ(通称:ダイコン)という名前は耳にすると思いますが、まずはどういった役割・機能があるのかを簡単に知っていただきたいと思います。
ダイブコンピュータの役割には大きく分けて
①安全管理
②不安要素軽減
の2つがあります。
①の安全管理、こちらがダイブコンピュータのメインの役割です。
(少し難しい話になりますが、既にダイバーの方は理解できる内容だと思います)
その最大の目的は、体に窒素をためすぎないこと=減圧症のリスクを軽減すること です。
減圧症を簡単に説明しておきますと、
ダイビングはシリンダーに入った空気を吸って行います。空気なので含まれる最大のものは「窒素」ですね。
この窒素、圧力がかかればかかるほど、体内に溶け込みやすくなります。
そして窒素は酸素の様に体内で消費されず、吸収もされないので、浮上と共にゆっくり体外に排出されます。
しかし、長時間深い場所でのダイビングをすると、その分体内に溶け込んだ窒素量も多くなるので、浮上の際に排出しきれず、体内で気泡化してしまいます。
浮上速度が速い場合でも同様に気泡化し得ます。
その気泡が神経などを圧迫して関節の痛みやしびれなどを引き起こします。これが減圧症です。
では、そんな減圧症にならないようにするためにはどうすればよいのか?
それは最低限として「無減圧潜水」を行う事です。
そんな減圧症のリスクを軽減するための無減圧潜水を行うために不可欠なものがダイブコンピュータなのです。
安全管理での機能がもう1つ。それは浮上速度警告です。
ダイビングではエグジットに向けて当然浮上していきます。
先の減圧症の話でも少し出ましたが、浮上の際の速度が速すぎると体内で窒素が気泡化する可能性があるため、各指導団体で「安全浮上速度」が決められています。
ダイブコンピュータには一定速度を越えた浮上を行うと、警告音(ピーピーピー)が鳴る機能がついたものが多いです。中には振動してくれる機能がついているものもあります。
そしてダイバーはもちろんのことですが、この警告音が鳴ったら、すぐに浮上スピードを落とさなければなりません。
ただ、水中は音が聞こえる方向が分かりにくいので、そんな場合は自分のコンピュータを見て、速度超過の警告表示が出ていないかを確かめましょう。
(自分が持っているダイブコンピュータにどのような表示が出るのかは予め知っておきましょう)
そして、浮上速度の調整ができない方(浮力コントロールができない方)は、無理してフリー浮上せず、しっかりロープを持ちながら浮上してくださいね。
自分のレベル以上の事はしない、それもダイビングで安全を確保するための大切な所ですね。
②の不安要素軽減の内容については、個人差こそあるものの、簡単なお話です。
潜っていて何かふと(小さなことでも)不安・心配になる事、ありませんか??
例えば
・寒い、早くあがりたい
・残圧(空気の残量)が心配
・トイレに行きたい、あと何分潜るの?
・どこまで深く潜るんだろう・・・。
といったケース、これらは自分のダイブコンピュータがあることで大幅に不安が軽減されるのです。
まず、ダイビングでは潜る前にブリーフィング(これから潜るポイントや見られる生物、ダイブプランの説明会の様なもの)がおこなわれます。
ダイブプラン=潜水計画では「最大水深・予定潜水時間」も伝えられます。
コンピュータの基本的な表示には、現在の水深・最大水深・潜水経過時間等があるので、ブリーフィングで聞いた内容と潜っている最中にコンピュータに表示される内容を確認することで不安が軽減されるのです。
上であげました
寒いやトイレといった「早くあがりたい」と思っている時には、予め潜水予定時間がわかっているので、コンピュータに表示される潜水経過時間を見たら、あと何分潜っているかが大体わかります。
※寒いというのはインナーやフード、スーツの性能等の準備面によるものが多いので、こうならないのがベターです。
残圧も同様に不安は解決されると思います。
もし、ガイドに残圧を知らせてもバックアップ空気源をくれない、戻ろう(浮上しよう)としない場合は、このダイビングで経過してきた深度・時間とあなたの残圧から、バックアップ空気源を渡さなくても問題なくエグジットできるということをガイドが判断したということです。
そして深さの不安。天候や透明度によって、いつもより深く・暗く感じ不安になる事もあるでしょう。
そういう時は、まずコンピュータの最大深度をチェック。ブリーフィングで聞いた最大水深と比べてみましょう。もし予定していた最大水深付近なら、それ以上深くへ行くことはほぼないでしょう。
それでもどうしても深い・暗いのが怖い場合はガイドに申告しましょう。
※日中のダイビングでも、視界不良を考えたり、ディープポイントに行く際は水中ライトを持っていくと、こういった不安は軽減されます。
ダイブコンピュータは潜水前に潜水計画をたてることができ、
その上で、ダイブコンピュータを装着している本人だけのNDL(無減圧潜水時間)をエントリーから、潜ってきて今その時間・深度でわかりやすく表示してくれるのです。
なので、「ガイドだけがダイブコンピュータを持っていたらOK」とか、「ダイブコンピュータを持っているバディに合わせて潜るから大丈夫」というものではないことはお分かりでしょう。
エントリーから今その瞬間に至るまで、全て同じ時間と深度をたどってくることは不可能だからです。
また、NDL(無減圧潜水時間)の表示については、メーカーによって違いがありますし、DECO(減圧停止)の表示も違います。
ダイビングでは最低限このNDLが「0」にならないような潜り方を(計画・実行)すべきです。
ダイブコンピュータのレンタルを用意しているショップや現地サービスもありますが、コンピュータの見方・使用法についてまで教えてくれるところはほとんどありません。というか潜る直前にそんな時間がありません。
他のレンタル器材同様、「はい、これを使ってください!」と渡されるだけです。
そんな状態でダイブコンピュータを装着しても、それは単にログ付けや深度確認の為だけの用途であって、安全管理面としては全く意味がないのです。
場合によっては、前(前日)に使用した方のデータが残っていて、正しくNDLが計算されないということもあります。
また、休憩中に入れ替わってしまうというリスクもありますので、やはり自分だけのものがベストです。
ダイバーはCカード取得後は自己責任の下、ダイビングを行います。ということは減圧症の対策も自己責任です。
その為にも、自分のダイブコンピュータが必要ですし、その使い方・表示内容を理解しておく必要があるのです。
こういったことから、ダイブコンピュータはダイバーひとり一台必要なのです。
最後に1つだけ、ダイブコンピュータをつけている=減圧症にならない という過信的な認識は持たないでください。
あくまで一般的なので、窒素が溶け込む飽和量については個人差がありますので、余裕を持った潜水計画・ダイビングを行うように心がけましょう。
余談ではありますが、特にダイブコンピュータについてはプロショップでの購入をお勧めします。
量販店やネット通販で購入される場合は、逆輸入品の場合があります。
表面上はなんら変わりがなく、見分けがつきません。しかし、メンテナンス時にはコストが3倍ほどになるので、値段だけで飛びつく事はしないようにしましょう。
さて、次回は「どれくらい潜ったら上手くなるの?」 です。← ← クリック
ダイブコンピュータってあった方がいいの?
先に答えを言ってしまうと、絶対にYesです。
おそらく、どのプロショップや現地サービスのスタッフに聞いても「あったほうがいい」「必須」という答えが返ってくると思います。
更に加えるなら「ダイブコンピュータはひとり一台で!」です!
もし、違う答えが返ってくるようなら、以下の内容を読んでいただき、ご自身で判断してください。
ダイブコンピュータの役割
そもそも、ダイバーでしたらダイブコンピュータ(通称:ダイコン)という名前は耳にすると思いますが、まずはどういった役割・機能があるのかを簡単に知っていただきたいと思います。
ダイブコンピュータの役割には大きく分けて
①安全管理
②不安要素軽減
の2つがあります。
①の安全管理、こちらがダイブコンピュータのメインの役割です。
(少し難しい話になりますが、既にダイバーの方は理解できる内容だと思います)
その最大の目的は、体に窒素をためすぎないこと=減圧症のリスクを軽減すること です。
減圧症を簡単に説明しておきますと、
ダイビングはシリンダーに入った空気を吸って行います。空気なので含まれる最大のものは「窒素」ですね。
この窒素、圧力がかかればかかるほど、体内に溶け込みやすくなります。
そして窒素は酸素の様に体内で消費されず、吸収もされないので、浮上と共にゆっくり体外に排出されます。
しかし、長時間深い場所でのダイビングをすると、その分体内に溶け込んだ窒素量も多くなるので、浮上の際に排出しきれず、体内で気泡化してしまいます。
浮上速度が速い場合でも同様に気泡化し得ます。
その気泡が神経などを圧迫して関節の痛みやしびれなどを引き起こします。これが減圧症です。
では、そんな減圧症にならないようにするためにはどうすればよいのか?
それは最低限として「無減圧潜水」を行う事です。
そんな減圧症のリスクを軽減するための無減圧潜水を行うために不可欠なものがダイブコンピュータなのです。
安全管理での機能がもう1つ。それは浮上速度警告です。
ダイビングではエグジットに向けて当然浮上していきます。
先の減圧症の話でも少し出ましたが、浮上の際の速度が速すぎると体内で窒素が気泡化する可能性があるため、各指導団体で「安全浮上速度」が決められています。
ダイブコンピュータには一定速度を越えた浮上を行うと、警告音(ピーピーピー)が鳴る機能がついたものが多いです。中には振動してくれる機能がついているものもあります。
そしてダイバーはもちろんのことですが、この警告音が鳴ったら、すぐに浮上スピードを落とさなければなりません。
ただ、水中は音が聞こえる方向が分かりにくいので、そんな場合は自分のコンピュータを見て、速度超過の警告表示が出ていないかを確かめましょう。
(自分が持っているダイブコンピュータにどのような表示が出るのかは予め知っておきましょう)
そして、浮上速度の調整ができない方(浮力コントロールができない方)は、無理してフリー浮上せず、しっかりロープを持ちながら浮上してくださいね。
自分のレベル以上の事はしない、それもダイビングで安全を確保するための大切な所ですね。
②の不安要素軽減の内容については、個人差こそあるものの、簡単なお話です。
潜っていて何かふと(小さなことでも)不安・心配になる事、ありませんか??
例えば
・寒い、早くあがりたい
・残圧(空気の残量)が心配
・トイレに行きたい、あと何分潜るの?
・どこまで深く潜るんだろう・・・。
といったケース、これらは自分のダイブコンピュータがあることで大幅に不安が軽減されるのです。
まず、ダイビングでは潜る前にブリーフィング(これから潜るポイントや見られる生物、ダイブプランの説明会の様なもの)がおこなわれます。
ダイブプラン=潜水計画では「最大水深・予定潜水時間」も伝えられます。
コンピュータの基本的な表示には、現在の水深・最大水深・潜水経過時間等があるので、ブリーフィングで聞いた内容と潜っている最中にコンピュータに表示される内容を確認することで不安が軽減されるのです。
上であげました
寒いやトイレといった「早くあがりたい」と思っている時には、予め潜水予定時間がわかっているので、コンピュータに表示される潜水経過時間を見たら、あと何分潜っているかが大体わかります。
※寒いというのはインナーやフード、スーツの性能等の準備面によるものが多いので、こうならないのがベターです。
残圧も同様に不安は解決されると思います。
もし、ガイドに残圧を知らせてもバックアップ空気源をくれない、戻ろう(浮上しよう)としない場合は、このダイビングで経過してきた深度・時間とあなたの残圧から、バックアップ空気源を渡さなくても問題なくエグジットできるということをガイドが判断したということです。
そして深さの不安。天候や透明度によって、いつもより深く・暗く感じ不安になる事もあるでしょう。
そういう時は、まずコンピュータの最大深度をチェック。ブリーフィングで聞いた最大水深と比べてみましょう。もし予定していた最大水深付近なら、それ以上深くへ行くことはほぼないでしょう。
それでもどうしても深い・暗いのが怖い場合はガイドに申告しましょう。
※日中のダイビングでも、視界不良を考えたり、ディープポイントに行く際は水中ライトを持っていくと、こういった不安は軽減されます。
ダイブコンピュータは潜水前に潜水計画をたてることができ、
その上で、ダイブコンピュータを装着している本人だけのNDL(無減圧潜水時間)をエントリーから、潜ってきて今その時間・深度でわかりやすく表示してくれるのです。
なので、「ガイドだけがダイブコンピュータを持っていたらOK」とか、「ダイブコンピュータを持っているバディに合わせて潜るから大丈夫」というものではないことはお分かりでしょう。
エントリーから今その瞬間に至るまで、全て同じ時間と深度をたどってくることは不可能だからです。
また、NDL(無減圧潜水時間)の表示については、メーカーによって違いがありますし、DECO(減圧停止)の表示も違います。
ダイビングでは最低限このNDLが「0」にならないような潜り方を(計画・実行)すべきです。
ダイブコンピュータのレンタルを用意しているショップや現地サービスもありますが、コンピュータの見方・使用法についてまで教えてくれるところはほとんどありません。というか潜る直前にそんな時間がありません。
他のレンタル器材同様、「はい、これを使ってください!」と渡されるだけです。
そんな状態でダイブコンピュータを装着しても、それは単にログ付けや深度確認の為だけの用途であって、安全管理面としては全く意味がないのです。
場合によっては、前(前日)に使用した方のデータが残っていて、正しくNDLが計算されないということもあります。
また、休憩中に入れ替わってしまうというリスクもありますので、やはり自分だけのものがベストです。
ダイバーはCカード取得後は自己責任の下、ダイビングを行います。ということは減圧症の対策も自己責任です。
その為にも、自分のダイブコンピュータが必要ですし、その使い方・表示内容を理解しておく必要があるのです。
こういったことから、ダイブコンピュータはダイバーひとり一台必要なのです。
最後に1つだけ、ダイブコンピュータをつけている=減圧症にならない という過信的な認識は持たないでください。
あくまで一般的なので、窒素が溶け込む飽和量については個人差がありますので、余裕を持った潜水計画・ダイビングを行うように心がけましょう。
余談ではありますが、特にダイブコンピュータについてはプロショップでの購入をお勧めします。
量販店やネット通販で購入される場合は、逆輸入品の場合があります。
表面上はなんら変わりがなく、見分けがつきません。しかし、メンテナンス時にはコストが3倍ほどになるので、値段だけで飛びつく事はしないようにしましょう。
さて、次回は「どれくらい潜ったら上手くなるの?」 です。← ← クリック