2018.08.20

ダイバーお役立ち情報, 今週のメモ

夏はとにかくいろんな意味で”ムレムレ”

夏はとにかくいろんな意味で”ムレムレ”

お盆も過ぎたあたりから各地の海水温は1年で一番高い時期へと突入します。この頃から、海中世界はとにかく群れる魚をたくさん見ることが出来るようになります。
その理由は様々・・・今回はその群れる理由について説明いたします。
魚の群れ
 

生存確率を上げるため

小学校の国語の教科書に必ずと言っていいほど載っていた「スイミー」。その影響からか、魚が群れるのは1匹の巨大な魚に見せるため・・・、と思っていた方もたくさんいるかと思います(幻影効果)。
もちろん魚影が大きくなるので、敵を圧倒する効果がないとは言い切れませんが、強い肉食魚にとっては、ほとんどその効果はないと言われています。
 
それではなぜ?群れるのか?
 
もちろん生存確率を上げる為であります。
単体でいれば、敵に出くわしたとき捕食される確率は高いですが、集団でいれば、少数は犠牲にはなりますが、その間その他多数は逃げ延びる可能性が高くなるというわけです。ちょっと残酷な言い方にはなりますが、生贄を差し出すことで種としては残っていこうという作戦なわけですね。
これを希釈効果といいます。イワシなんかがいい例です。
サカナの群れ

様々な群れるメリット

他にも群れるメリットはいくつかあります。
 
・たくさんの目や鼻で餌を見つけやすくするため
・集団で餌となる魚を襲えるため
・配偶者を見つけやすくるため
・集団で効率的に産卵行動を行うため
・自転車レースのように水の抵抗を少なくし効率的に泳ぐため
 
などなど、捕食されにくするために以外にもいろんな効果があるんですね。
サカナの群れ

夏はたくさんの群れを観察できる!

冒頭でも言いましたが、この時期たくさんの群れに遭遇することが出来ます。
例えば初夏に生まれた幼魚達の群れ。
体が大きくなり、外敵が減るまでの間、希釈効果によって生きながらえようとしているのだと思います。また夏場に産卵期を迎える魚が多く、これまた前述したカップリングや産卵効率を上げる為に、普段群れない魚も、この時期限定で群れたりします。
 
実際に潜った時に群れと遭遇したら、この種類はいったいどういった理由で群れているのだろう?と考察してみてください。
もしかしたら上記以外の理由も見えてくるかもしれんませんよ!!
さぁ、ツアーに行って色々観察しましょう!!
 
ノリス東京目黒店 店長 米村哲也
 
ダイビングツアースケジュール